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自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

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ターディグラダ・ガール 第四話「パーピーヤスの野望 一章」

 あたしの名前は結城暁(ゆうきあきら)。見た目も大したこと無く、そしてコレといった取り柄もない、ただ毎日流されるように生きている平凡な中学校の女子生徒。

ターディグラダ・ガール 四話01

 父は『ゆうきまなぶ』という芸名で、神田川県内で活動している地方タレント。
 ローカルテレビのバラエティー番組やラジオ番組。県内芸能イベントでの司会。割と仕事も多く、神田川県内だけであれば、全国規模の芸能人やタレントに負けない程度の人気を誇っていた。
 でもある時。その父は、番組でアシスタントをしていた若い女性タレントと、不倫をしていたことが公表されてしまった。
 数多くあった仕事は謹慎休止。憤慨した母は父と別居することになり、私は母の元で生活をすることになった。
 だけど、あたしの真の苦しさはここからだった。
 なまじ有名人だった父だけに、その話題は学校でも広がり、あたしは『不倫タレントの娘』『セックスハンターの遺伝子を持つ者』など呼ばれ、あっという間に『いじめ』の対象となってしまったのだ。
 今の時代のいじめというのは、偏った正義感からくる攻撃。つまり、相手は「自分は正しいことをしている」と思い込んでいる分、『罪悪感』なんてものをまるで感じていない。したがって加減や遠慮なんてものはまるっきり無い。そんなものを、なんの戦闘力も持っていない極普通の女子生徒が、そう簡単に耐えられるものではないのだ。
 学校ではゴミのように扱われ、家に帰れば相変わらず母はイライラしている。
 いつしかあたしは自分の居場所が無くなり、学校へも行かず、充てもなく街中をブラブラしていることが多くなった。
 今でも何故だかわからない。もしかしたら、反撃する戦闘力が欲しかったのかもしれない。
 あたしは街の一角にある、小さな『キックボクシングジム』の前でポツンと立っていた。
 すると……
「よかったら、少しやってみない?」
 いきなり背後から、そう声を掛けられた。振り返るとそこには、ショートヘアの女の子がニコニコしながら立っている。
「い……いえ、あたしは、こういうのは……」
 なんと返事をしたらいいか戸惑っているあたしに、彼女はさらににこやかな笑顔でこう綴った。
「そう? 無理強いはしないけど、何かを殴ったり蹴ったりするのって、身体の中に溜まっているワケわかんない物が、結構吐き出せるもんだよ!」
 そう。その人は、あたしが今……どんな気持ちなのか?まるで見抜いているような感じだった。
 結局あたしは断る気もなく、半分どうでもいいか!的な気持ちで、ジムの中へ連れられていったんだ。
 中に入り、言われるままサンドバッグを叩いたり、蹴ったり。
 最初は殴っている手や足の方が痛かった。でも、そんなことを一時間も続けていたら、学校での嫌なこと。家にいるときの暗い気持ちなど、すっかり忘れていた。
「あたしもさ、以前……凄く嫌な気分になる時期があってね。貴方と同じようにこの辺をぶらついていたら、ここのジムの会長にひっぱりこまれちゃった!」
 そういう女の子の笑顔は、あたしがしばらく見たこともない、別世界の輝きがあった。
 それがきっかけで、いつしかあたしもジムに通うようになり、一緒に練習に励んだ。そしたら何故だろう?学校でのいじめが、それほど苦痛でなくなったんだ。
 キックを始めたお陰で「お前たちなんかいつでも叩き伏せることができる!」と思えるようになってきたからなのか? それとも、練習を続けていくことで、どんどん強くなっていく自分が楽しかったからなのか? とにかく、いじめている子たちの事なんか、眼中に無くなってきていたんだ。
「最近、笑うようになったじゃん!」女の子は、いつもと変わらぬ笑顔で、あたしにそう言ってきた。
 たしかに。鏡で見たら、その子ほどじゃないけど、キックを始める前まですっかり潜んでいたあたしの笑顔が、そこにあった。その女の子のお陰で、あたしは笑顔を取り戻せたんだ! 今でも彼女には感謝している。
 その女の子の名前は、堀口琴音(ほりぐちことね)。私立晶華女子商業高校に通う、あたしの二つ上の尊敬する女の子だ!

「本当なんですか、琴音先輩が未確認生物に食い殺されたっていうのは!?」
 あれから約一年後。高校入試を控えたあたしに、とんでもない事実が飛び込んできた!
「うん、あたしの目の前でアイスクリームにされて、ペロリと食べられちゃった……」
 そう話してくれたのは琴音先輩の親友で、ツインテールにまとめ上げた赤く染めた髪。小柄で童顔。一見、妹系と言われている咲沢彩音(さきざわあやね)さん。
 二か月近く前、琴音先輩と彩音先輩は下校中に未確認生物に襲われたらしい。辛うじて彩音先輩だけは、噂の特殊機動警官ターディグラダ・ガールに救われたとのこと。

ターディグラダ・ガール 四話02

 でも、琴音先輩はもう二度と戻ってこない。あの笑顔を見ることができない。
「暗いトンネルの中のような生活を送っていたあたしに、光を与えてくれた琴音先輩。その先輩が未確認生物に食い殺されたなんて。許せない!世の中の未確認生物を絶対に許せない!」

 そして今、あたしは『丘福市立博物館』の前にいる。
 この博物館は、なんでも女子アナウンサーが未確認生物に殺されたという、あの大生堀公園から歩いて十数分の所にある。
 半年以上前の丘福大災害で建物が半壊状態となり、今では立入禁止区域となっているこの場所。でも、ここ最近怪しい人影や大型動物のような姿が目撃されていると、ネットで話題になっている。
「ねぇ、暁ちゃん。やっぱ……止めようよ。ここ、入っちゃいけない場所だよ。」
 そんな彩音先輩の言うことを、まるで聞こえていないような仕草をしながら、あたしは博物館のエントランスに足を踏み入れた。
 内部は電気も通っていない、当然真っ暗。ガラスが砕け散ったままになっている窓や、崩れて亀裂の入った壁の隙間から、僅かな光が差し込まれている。
「ねぇ、暁ちゃん。もし……ホントにここに未確認生物がいたら、どうするの? 琴音ちゃんだって、まるで手も足も出ないでやられちゃったんだよ。いくら暁ちゃんが強いっていっても、敵わないと思うよ」
 後ろから恐る恐る付いてきている彩音先輩の不安気な言葉。
 そんなことはわかっている。でも……。でも……、例え敵わなくても、一矢は報いたい。琴音先輩に誘ってもらったこのキックボクシングで、先輩の代わりに報いてやりたい!
 一階ホールを進んでいくと、正面に二階へ上がる大階段が目に入った。
 すると、その階段の上から、ギシッ!ギシッ!と何者かが降りてくるのか?階段の軋む音が聞こえてくる。そして……
「あら……あら~っ? どなたかいらっしゃったの~ぉ?」と間延びした女性の声が。
「実はこの博物館で、未確認生物が目撃されたと聞いて来たのですが……」
「未確認……生物? ああ、あの今…世間で騒がれている『アレ』ねぇ~っ!? アレは今~っ、ちょっと出かけているけどぉ、代わりにこんなのならいるわよ♪」
 こんな場所でえらくのんびりした人だな~。てか、ここ……立ち入り禁止区域なのに、なぜこの女性(ひと)は居るんだろう? アレが出かけている!? 代わりにこんなの……!?
 次々に浮かんでくる突っ込みのどれを返せばいいんだろう? そう考えていたその時、
「きゃあああっ!」
 後ろに付いていたはずの彩音先輩の悲鳴が聞こえた。
 振り返ると彩音先輩は、人でもなく……獣でもない。何かわからないけど、人間よりも少し大きめな物体に抱きかかえられていた。
 物体はその大きな手で、彩音先輩の体を四方八方から押し固めるように握りしめていく。
 ギュッ!ギュッ!「ふぎゃ…ふぎゃ……」ギュッ!ギュッ!「ふぎゃ…ふぎゃ……」
 握りしめる音と彩音先輩の短い悲鳴の不思議なハーモニー。
 数分後、あたしの目の前には、クルクルと目を回し、綺麗な三角形の形に押しつぶされた、元…彩音先輩の『おにぎり』がそこにあった。

ターディグラダ・ガール 四話03



「西東くん、中田くん。手が空いたら、少し僕に付き合ってくれないか?」
 ここは神田川県警本部、警備部警備課未確認生物対策係、通称CCSの対策室。
 一通りの書類を書き終え、係長である和(かのう)警部補は、壁際に設置されたデスクで作業する若い男女に声を掛けた。
 その二人は約一月前にCCSに配属された、西東瀾巡査と中田素子巡査である。
「はぁ……」
 気の乗らない声でそう反応したのは、ややワイルドな雰囲気を持つ、瀾こと西東巡査。瀾は不愉快そうな表情のまま隣の席に座っている小柄な女性、中田素子巡査をチラリと睨みつけた。
「付き合うのはいいんスけど、そこの『チビお嬢様』も一緒じゃなくちゃいけねぇーんスかぁ?」
「チビお嬢様……。小学中学でよく言われたけど、改めて『元ヤン』とかいう社会のクズに言われると、怒りを通り越して呆れてくる……」
 そう毒気を吐きながら返してきたのは、スーこと中田素子巡査。
「相変わらず、日本全国の元ヤンを敵に廻す気マンマンだな。あ…!? チビお嬢様……?」
「誤解の無いように言っておく。ボクの敵は『元ヤン』だけでなく、『現役ヤンキー』も入っているから。因みに、ヤンキーとか不良とか、全部死ねばいいと思っている。」
 何故か、目が合うと一触即発なこの二人。
 和は疲れ切った表情で頭を掻きながら、「まぁ、そんなにいがみ合わずに。今後の任務において、見ておいてもらいたいものがあるだけなんだ。」と、窘めるように付け加えた。
「うぃ!係長を困らせる気はねぇース。了解ッス、すぐお供します。」
「ボクも任務が大事なんで、とりあえず従います。」
 そう言って二人は、渋々ながらも席を立ち上がった。

 和が最初に二人を連れてきたのは、署内にある拳銃保管金庫。
 日本の警察では、拳銃など銃器の使用が必要な事件、事故以外では、銃器は所持できない。一部例外として特別な任務の一部刑事や、駐在所等に勤務する警官は、勤務時間内所持ということはあるが。
 したがってCCSで勤務している者も、基本的に現場出動時以外では、銃器は保管することが義務付けられている。
 和は銃器取り出し手続きを終えると、保管庫から一丁の長い銃器を取り出した。
「豊和M1500。知ってはいると思うけど、本来……猟銃として開発された物で、その性能の良さから日本の警察では狙撃用としても使われるんだ。今回警備部長にお願いして、中田くん用に手配をしてもらった。もちろん、対未確認生物撃退用としてだ。ちなみに弾丸は.300WinMag(300ウィンチェスターマグナム)を使用する。」
 素子は和からライフル銃を受け取ると、適当に構えて感触を確かめてみる。
「銃に詳しい中田くんならわかっていると思うが、その手のライフル銃はボルトアクション式だ。だから命中精度は高いが、アサルトライフルみたいに連射はできない。したがって、仕留められなかった場合、反撃をくらう可能性がある。」
 和の説明に、素子は無言で頷く。
「対策として、遠距離からの狙撃のみで使用するか? もう一つは……。それは、後ほど話そう」
 和はそう言って説明を一旦区切ると、保管庫へM1500を収納した。そのまま保管庫の鍵を閉めるのを見て、瀾が眉をひそめて声をかける。
「アレ、係長。俺には新しい銃の支給とか……無いんッスか?」
 その問いに対し和は軽く微笑むと、「西東くんには銃ではなく、別に支給されているものがある。こっちだ!」そう言って保管庫を後にした。
 和が案内したのは、本部地下にある任務車両用駐車場。
 その一角にTG01が愛用する災害対策用白バイXT250P-Sや対策車両を停めてあるCCS専用ゾーンがある。出動の度に使用しているので、欄も素子も当然知っている。
「これが西東君に支給されたものだ!」
 和がそう言って見せたものは、交通部交通機動隊で使っていたものと同型の新型白バイ。
「おおっ!FJR1300APじゃないッスか~っ!」

ターディグラダ・ガール 四話04

 欄はそう叫びながら、まるで玩具を見つけた子どものように駆け寄り、嬉しそうにペタペタと触りまくる。
 すると「アレっ? これ……何ッスか~ぁ!?」と運転シートの後部に手を当てて問いかけた。
 通常、交通部で使用している白バイの後部は、反則切符や書類等が入れられているケースが取り付けられている。だが、この白バイの後部は二人乗り用シート。と言っても、ノーマルの二人用ではなく、背もたれも付いた本格的なタンデムシートである。
「な…何っスか、これっ!? ケツに誰か乗っけて、ツーリングでもしろ!……つぅんスかぁ~っ!?(笑)」
「ツーリング…ではないけど、キミの言うとおり二人一組で乗ってもらうことを前提としている。」
「二人乗り前提って、そんな白バイ……最近見たことも聞いたこともないッスよ!?」
「それはこの白バイが追跡や交通取締り用ではなく、未確認生物や改造生物との戦闘用に改造されたものだからだ。」
「戦闘……用?」
「そう。一人が運転をし、もう一人が後部シートから射撃をする。つまり走行攻撃を想定した、戦闘用オートバイというわけだ。」
「何ッスか? その戦車みたいな発想は……?」
「戦車よりも機動力があるぞ」
「当たり前っしょ!戦車よりトロかったら、バイクの意味無いじゃないっスか!?」
 先程までとは打って変わって、まるで苦虫を1ダースほど噛み締めたような表情の欄。
更に大きく溜息をついて……「で、その後部座席には誰が乗るんです? まさか……」と尋ねる。
「うん、中田くんに乗ってもらうつもりだ。」
 清々しいほどの笑顔で、和は明るくそう答えた。
 ―やっぱりか……―
 欄も、そして傍で話しを聞いていた素子も、ウンザリした顔で和を睨みつけた。
「先日植物園で、中央署の警官隊が敵わなかった未確認生物に、キミたち二人が協力しあって撃退している。これによってキミたち二人が協力し合えば、TG01にも負けない働きをしてくれると僕は確信したんだ。それを活かすために先程のライフルも、この白バイも部長にお願いしたんだ。」
「じゃあ、さっき係長が言っていた、ライフルを使うボクが反撃されない……もう一つの対策って!?」
「そう。これに乗ることで、攻撃して即離脱。ボクシングで言う、ヒットアンドウェイになるだろう!」
―なんで俺がこんな『チビお嬢様』の、お抱え運転手にならなきゃいけねぇーんだ?―
―なんでボクが、こんな『ヤンキー』とニケツをしなきゃいけないの……?―
 口には出さないが、そんな思いが顔から読み取れるくらい、ゲンナリした表情の二人。その二人の気持ちに気づいているのか、いないのか?
 和がトドメの一言を放った。
「これから週に二~三回は、二人の共同訓練を行う。一日も早く、『二人の息をピッタリ合わせてくれ!』」

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